質問です。1日に何食食べるのが健康的だと思いますか?

さまざまな情報があふれる中で「1日2食がいい」とか、ダイエットのために「朝はヨーグルトかスムージー」「夜は抜く」など、1日3食以外の言説も多く見られるようになりました。

中には、3食しっかり食べることがまるで悪いことのように論じられるケースもあります。本人はいたって元気で食欲もあり、食べるのが大好きなのに、たまたま目に留まった「3食は食べすぎ」という情報を真に受けて、朝昼晩と食事することに罪悪感を抱く方も少なくありません。

では、本当のところはどうなのでしょうか?今回は、なぜ「1日3食しっかり食べること」が欠かせないのかという理由を明確にしていきます。

 

朝食抜き、夕食抜き生活は「老化して太る」

1日3食を提案する理由

「1日3食は、本当に正しいのか?」という疑問もあると思います。なぜ、1日3食が健康的だといわれているか?それは、「胃腸を1日に3回は動かしたほうがいい」という言葉に置き換えてみるとイメージしやすくなるでしょう。

たとえば、病気やケガなどで寝たきりになってしまった状態を想像してみてください。ベッドに横たわっているのがたった1週間程度でも、筋肉はあっという間に細くなりますよね。筋肉は使わないとすぐに衰えて老化をします。実は、胃腸もまったく同じことがいえます。

 

胃腸の7割は筋肉でできている

忙しくて食事を抜いたり、ダイエットのために食事制限(抜く、減らす、がまんする等)をすると、胃腸の筋力や消化能力がどんどん落ちるので、かえって太りやすくなります。また、胃腸を使わないと胃腸の筋肉が落ちて、体の中から老化しやすくなります。

筋肉が落ちると、カロリー燃焼量も落ちるので、どんどん太りやすくなってしまうという悪循環を招いてしまいます。「食べる量を減らしているのに、なかなか脂肪が落ちない」というダイエットの悩み相談を受けることがありますが、このような理由が大きく影響していると考えていいでしょう。

 

食べることで「カロリー燃焼サイクル」を作る

食事をしたときには、体がぽかぽかと温かくなりませんか?この現象を「食事誘発性熱産生」(しょくじゆうはつせいねつさんせい)といいます。体が温まるということは、胃腸の筋肉が動き、体内でエネルギーを燃焼させている証拠です。イメージとしては、運動してカロリーを燃焼させるのと同じ状態です。

「食べる=太る」と思うと、食事することが憂鬱になってしまいますが、「食べる=胃腸を動かして食べたものを燃焼させる」と考えると、毎回いいことをしている気分になり、気持ちがラクになりませんか?

つまり、食事は運動(体内エクササイズ)です。1日3食きっちり食べて胃腸の筋肉を使って初めて、しっかりカロリーを燃焼させるサイクルが生まれるのです。胃腸の筋肉は食べ物を入れる(食べる)ことでしか動かすことができません。

 

 

夜に食事を抜くと本当にやせる?

夜もエネルギー消費している

一般的に、夜にしっかり食べると太りやすいから控えめにしよう、特に遅い時間は消化に負担をかけないために食べないほうが良いといわれています。

夜はおもに睡眠時間が占めていて、寝ているだけで体は動かさないのでエネルギー消費をしないと思われがちです。実際には、私たちは寝ている間も想像以上にエネルギーを消費しています。

そもそも、1日のエネルギー消費のうち、約7割は基礎代謝が占めています。基礎代謝をひとことで説明すると「何もしていない安静時に消費するエネルギー」。体温の維持や心臓などの体内臓器を動かすといった、生命を維持するために使われるエネルギーです。そして、体を動かして消費するエネルギーは、実は2割程度です。

 

夜、食事を摂ることをおすすめる理由

基礎代謝を高く保つためには、定期的に燃料を補給して、常にエネルギー消費できる状態を作る必要があります。

燃料が切れてエネルギー不足が起こると、体は省エネモードに切り替わり、なるべくエネルギーを消費しない状態にスイッチするため、基礎代謝が下がります。お腹が空くと体温が下がって、なんとなく寒く感じたりするのはこのような理由からです。

たとえば「夜、食べると太るから」と空腹のまま寝てしまうと、寝ている間のエネルギー消費量が落ちます。「消費が少ない=太りやすい」ということなのです。

 

帰宅が遅くなっても安心して食べていいものは?

夜の食事は、寝る3時間前くらいには終わっているのが理想ですが、たとえ遅い時間になったとしても、食べることをおすすめします。食事のあと寝るまでの時間が短い場合は、ごはん(お米)と味噌汁を食べるといいでしょう。ごはんは消化されやすく胃腸の負担が少ないうえに、エネルギーに変わりやすく、寝る前の食材としても適しています。

お米には、トリプトファンというアミノ酸が多く含まれています。脳機能やメンタルを安定させる幸せホルモンのセロトニンや、睡眠ホルモンのメラトニンは、トリプトファンから体内で作られます。

トリプトファンは、お肉などのたんぱく質にも含まれますが、糖質(炭水化物)がないとうまく働かないことから、お米は睡眠を助ける食材ともいえるでしょう。

 

 

朝に食事を抜くことは健康的?

朝食を抜くと、代謝が下がる

体温は寝ている間に下がるので、朝の体温は低くなっています。目が覚めて活動を始めるとじょじょに上がり、さらに朝食を食べると一気に上昇します。

体温が上がればエネルギー消費量は増えます。しかし、朝食を抜くと、この代謝を妨げてしまうため、1日のエネルギー消費量が少なくなりかえって太りやすくなるのです。

京都大学名誉教授の森谷敏夫氏の研究の中で、食事内容とエネルギー消費量の関係を調べたデータ(出典:「食事によって変化するエネルギー消費量」)があります。その結果、朝食後のエネルギー消費量を比較すると、朝食を抜いた場合に対し、朝食を食べた場合は明らかにエネルギー消費量が増えています。

さらに、こってりした高脂肪食より、ごはん食のほうが消費量が多い傾向にあり、朝食、昼食ともにごはんを食べたときが最もエネルギー消費量が高くなっています。

 

朝食で睡眠の質が変わる

朝食は、体内時計(リズム)の調整に大きな働きをしており、自律神経やホルモンバランスにも影響することがわかっています。

眠りに導く睡眠ホルモンのメラトニンは、朝食の14~16時間後に増えます。このタイミングで就寝すれば熟睡しやすくなります。朝食と睡眠には、密接な関係があるのです。

また、朝食を摂って午前中から体温を上昇させると、1日の体温のピークは夕方くらいになり、夜に向けて体温が下がることで入眠しやすくなります。

気になる血糖値も、食べて対策

朝の食事が、次に摂る昼食や夕食後の血糖値にも影響力を及ぼす現象を「セカンドミール現象」といいます。

朝食を抜くと、昼食や夕食の後の血糖値が上がりやすくなります。さらに、朝食に何を食べたかによっても、血糖値の上がり方は変わってきます。昼食や夕食後の血糖値を上げないためには、ごはんと味噌汁の朝食をおすすめします。

また、食物繊維の摂取も血糖値に影響することわかっています。この場合、白米ではなく雑穀ごはん、味噌汁に野菜やきのこ類などの具をたくさん入れるなどの工夫をすると、食物繊維の摂取が増え、さらに効果的になります。

 

まとめ

このように、体の機能面から考えると、朝食も含めて、基本的には「1日3食」提案しています。ですが、体が受け入れられる状態になっていないのに、無理に食べるのは逆効果です。

ポイントとして、まずは。「目が覚めたらお腹が空いている」という状態を作るのが第一歩です。多くの場合、夜の食事を見直すことで改善できます。夜はごはんと味噌汁でおかず少なめ、というシンプルな食事をしてみてください。ゆっくりよく噛んで食べることも忘れずに。

また、朝食を摂っていないと睡眠中の体温も下がる傾向にあります。体温が低くなる=エネルギー消費量が大きく下がってしまいます。健康改善、またダイエットの結果を出したい時ほど、常にエネルギーを消費する体をつくりましょう。

そのためにはやはり、1日3食(回)胃腸の筋肉を動かす体内エクササイズ、つまり食事が大切なのです。しっかり食べて、いつまでも若々しくサビない体づくりをしましょう。

 

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