柏原ゆきよYukiyo Kashiwabara
1973年8月20日生
- 管理栄養士
- 一般社団法人日本健康食育協会 代表理事
- 一般社団法人食アスリート協会 副代表理事
- 公益財団法人日本ヘルスケア協会 お米で健康推進部会 部会長
- 一般社団法人機能性健康米協会 副理事長
- 一般社団法人日本こども成育協会 テクニカルアドバイザー
- 素敵栄養士委員会 委員長
起業までの道のり
私が「食から人生を変える」という道に進んだきっかけは、共立女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻に入学したことです。
ただ、実はこの頃栄養士の仕事に興味が持てず、一般企業への就職を考えていました。就職氷河期で厳しい中、たくさんの企業説明会に参加するうちに自然と「人が健康に生きていくことに貢献したい」というビジョンが明確になります。
最初の就職先は、小売業の某大手スーパーマーケットでした。ここでは、食の流通やマーケティング、食品製造・商品開発・衛生管理・労務管理など、一般的な栄養士の仕事の範疇を超える、幅広い経験をさせてもらいました。この業界でひと通りの業務にも慣れたころ、フィットネスインストラクターの養成校を紹介されて通う事になります。これが、スポーツ分野に関わるきっかけとなりました。
その後、フィットネスクラブで働きながらフリーランスの栄養士として活動開始。健康保険組合や医療機関での栄養指導、企業の健康管理室、専門学校の講師、飲食店の立ち上げサポート、糖尿病患者向け弁当の監修などの新たなチャンスを頂きました。
フリーランスとして様々な経験を積んだ後、ネイル&エステサロンを展開するベンチャー企業の立ち上げに役員として参画。ここでは、店舗開発や店舗のマネジメントを行いました。「美×健康」をテーマに、大手総合スーパーと新たな事業開発を行うなど、美容分野でも食の力で変化を起こせる可能性を感じました。
さらに食と健康の専門性を高めるため、ご縁のあったサプリメントメーカーに移籍。サプリメントや機能性食品、化粧品の研究開発と営業の責任者として入社し、役員を務めました。社内ベンチャーとして、機能性素材の開発メーカーを立ち上げ、臨床試験や海外との共同開発など幅広い業務を経験。また、別会社での通販事業や大手企業のOEM開発、販売後の顧客サポートの仕組みを構築。大手ドラッグストアチェーンでのサプリメントシリーズで大ヒットを生み出しました。
徹底的にサプリメントを追求した結果、その限界とジレンマを感じ退職。多岐にわたり健康や食の業界で知見を得たことを活かし、社会人になる前に抱いたビジョンを自ら実現すべく、2007年に33歳で起業します。大学を卒業して、約10年後のことでした。
「健康食育」理論が生まれた原点
起業する約2年前、摂食障害で一時は生命の危機にすら直面していた、中学3年生のYちゃんと出会いました。
「食べるのが怖い」という彼女の言葉が衝撃的でした。食べたいのに、好きなものが目の前にあるのに、心と体が受け入れてくれない・・・。彼女の助けになりたいと調べているうちに、摂食障害は若い世代から増えているにもかかわらず、医療現場でのサポートがほとんどなく、当事者や家族が本当につらい状況にあることを知りました。
たくさんの医療機関を廻ったものの、Yちゃんの食べることについての恐怖や疑問に明確に答えてくれる人がおらず、薬を処方されるばかりだったことに心が痛みました。また、栄養士の教育現場でも摂食障害については全く情報はありませんでした。彼女から投げかけられる言葉に対し、まずはひたすら受け止め、どうしたら心に響くのかを考え、必死で関わり続けました。
その後、Yちゃんが大学入学の時、親族での御祝いの席にお招きいただいた席で「ゆきよ先生は、私の命の恩人です」と笑顔で伝えてくれたことは一生忘れません。
世の中の情報は「食べたら太る」という概念と、体重やカロリーという数字の強烈な呪縛が蔓延しています。本来であれば、「食べることは生きること」であり、幸せや喜びを感じる行為のはずですが、誤った情報や過度なダイエット志向によって、苦しむ人が増えています。
健康になりたい、きれいになりたいと頑張っている人が増えている一方で、苦しむ人も増えているという矛盾。糖尿病などの生活習慣病の患者さんも、病気を改善したくて食事をコントロールしているのに、一向に改善せず、禁止事項や制限だけが増え、食べることを楽しめなくなっています。また、健康のために摂るはずのサプリメントでかえって体調が悪くなったり病気になる人も増えています。そんな健康ブームの裏側や実態を知るほどに、納得のいかないことばかりでした。
さらに、介護や終末医療の現場で痛感したのは、食が人生の質に与える影響の大きさです。90歳や100歳でも元氣な方に共通しているのは、「食欲旺盛で食べることが好き」「前向きでおおらかな人が多い」という傾向でした。逆に、早くから病気や認知症などの介護状態になってしまう方は、食べることに問題を抱えている人が多く、特に「食が細くなること」は、健康維持において最大のリスクであることを感じました。
現場で多くの人に関わっていると、大学で学んだ栄養学だけでは答えられないことがあまりにも多く、しかもカロリーコントロールでは思うように結果が出ないことに直面しました。「栄養学以外の観点から、どうしたら結果が出て、人々が幸せになれるのか?」を追求し続けて導き出したのが、私が提唱する「健康食育」理論です。
結果が出ている人たちの食生活は、ごはん中心であったこと。そしてしっかり食べていること。この理論は、日本型食生活に基づいた健康効果に基づいています。
世の中では、食べることを控えるほうが健康的なイメージがあり、食事を減らす健康法ばかりがブームになっています。その結果、「年を取ったら食べ過ぎないよう控える」という意識が強いですが、実際にはいかに食べられる体を作るかが、老後の健康を左右することを多くの人は知りません。
いつまでも健康であるためには、若い時からの積み重ねが大事です。「健康食育」理論は、老若男女問わず食から人生をより豊かにするために必要な理論だと言えます。
現在までの活動背景
食育活動スタートのきっかけは、2005年の食育基本法の制定です。施行にあわせ、当時は任意団体として健康食育マスター講座を立ち上げ、健康食育を伝える人材育成に取り組みました。また、起業間もないころに定食チェーンの大戸屋さんと食育活動における業務提携を締結しました。
東日本大震災による経営的打撃を乗り越えながら、スタッフとともに岩手県の被災地に、仮設住宅の食サポートや地域での食育活動を行います。その活動を通じ、岩手県は日本一の品質と生産量を誇る「雑穀王国」と言われていることに着目。感動するほどおいしい雑穀に出会ったことから、おいしさと健康効果の両方が得られる「マイ穀」ブランドをプロデュースしました。
日々の取り組みの中、日本の健康問題を解決するためには、自分たちだけでなくもっと多くの力が必要だと感じたことで、これまでの食育活動を社団法人へと集約。2011年に一般社団法人日本健康食育協会を設立しました。
私たちの協会理念は『食から健康にまつわる社会課題を解決し、元氣な社会に貢献する』です。企業や個人に対する、健康食育のノウハウ提供やサポートと同時に、社会に対して食の概念の見直しを提唱することで、元氣な人を増やすことを目指しています。
その他、一般社団法人食アスリート協会、一般社団法人日本こども成育協会の立ち上げもサポートしています。これら3つの協会に共通するのは、ごはんと味噌汁という日常食がもたらす健康効果と、それを引き出す食べ方を伝えることで元氣な人を増やすというミッションです。それぞれの協会で学んだ有資格者が全国、海外と拡がり、新しい日本の食育文化を支える大きな力となっています。
取り組むテーマ一覧
- お米(ごはん)を安心して食べられる環境づくり
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健康実現のための、食環境の構築
(家庭食、中食、外食、生産、流通) -
健康と食の生涯教育活動
(スポーツ分野、こども関連、介護予防) -
女性の健康とライフスタイル提案
(美容と食、婚活・妊活、働き方) - 働く人の健康管理と、企業における健康経営
このような仕事が可能です
講演、セミナー、研修
国内、海外問わず対応可能です。
ニューヨーク、台湾、香港、タイなどでも食育セミナーの実績があります。
メディア対応、取材
食から人生を変える方法を、様々なアプローチからお伝えしています。
執筆、テレビ、ラジオ、動画配信など対応可能です。
コンテンツ開発
過去に複数の案件を軌道に乗せてきた実績もあり、得意分野です。
人材育成カリキュラムやセミナーコンテンツ、アプリ制作にも携わりました。
商品開発、サービス開発のアドバイス
本当に効果が出て、健康増進に貢献するような、社会に役立つ商品やサービスを増やしたいです。
健康にまつわる顕在ニーズや潜在ニーズを反映した企画ならお任せください。
健康ブランディング構築のためのプロジェクト
CSV( Creating Shared Value:共有価値の創造)やSDGs(Sustainavle Development Goals:持続可能な開発目標)の観点からの事業開発、組織づくりをお手伝いします。
健康経営に関するコンサルティング
20年以上にわたる企業の健康管理の現場で、メタボ改善率を飛躍的に高くするノウハウを創り上げました。