もう一度考えてみよう、糖尿病のこと〜前半〜|食べかたのコツ[第64回]
2014.12.15 カテゴリー:食べかたのコツ
糖尿病とは、血糖値が高くなりすぎ
血管がもろくなり様々な合併症を
招きかねない病態です。
2013年の「国民健康・栄養調査」の
結果によると、糖尿病が強く疑われる
人の割合は、男性16.2%、女性9.2%。
長年知られている病気なのに、激減
することはあまりなく、もどかしいですね。
今回は糖尿病について改めて知って
おきたいポイントをまとめてみました。
◎そもそも血糖値とは?
血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度。
脳の唯一のエネルギーとされるブドウ糖
が少なくなり過ぎないよう、常に一定の
濃度に保たれています。
ブドウ糖は炭水化物が分解されて
できる単糖類(糖質の最小単位)。
炭水化物の種類によって、血糖値の
変動の仕方は異なります。
(参照)
砂糖はヒステリックになりやすい!
http://shokuiku-imagine.com/pastarticles/?p=805
また、食べ物以外にも興奮したり
イライラするとホルモン作用によって
血糖値が上がることも多々あります。
ブドウ糖が血液中からインスリンという
ホルモンによって細胞に摂り込まれる
ことでエネルギーとして使われます。
これが血糖値が下がるということですね。
日々の生活の中で血糖値が常に変動
するのは当然ですが、正常範囲を外れ
高くなりすぎたり差が激しすぎると、
体に負担をかけてしまうのです。
◎糖尿病の種類とは?
前述どおり、糖尿病とは血糖値が高く
なりすぎる病態ですが、その原因は
インスリンの分泌量が足りないか、
分泌されても効いていないか。
発症の種類も大きくわけて2つです。
・1型糖尿病
何らかの原因でインスリンを分泌する
β細胞が破壊されてしまい、物理的に
インスリンを分泌できなくなる。
小児に多いため若年性糖尿病と呼ばれ
ていましたが、近年は高齢者にも増えて
きています。
注射やポンプを使ってインスリンを
注入して血糖値を整えます。
・2型糖尿病
食べ過ぎやストレスなどさまざまな原因
で糖質の代謝がうまくいかず、血糖値を
上手にコントロールできない状態。
量が足りない分泌不全型、分泌される
タイミングが悪い場合、主に肥満が原因
でインスリンが分泌されても血糖が
下がりにくいパターンなどがあります。
発症の原因や経緯は様々でも、糖尿病
と診断されて気をつけねばならないのは
血糖値はもちろん、血圧や血中脂質も
注意しながら、血管を丈夫に保つこと。
血糖値のコントロールでは、食前の
血糖値だけでなく食後も上げ過ぎない
ように工夫が必要です。
また、薬剤を使う方は低血糖の頻度を
減らすことも重要です。
次回は、糖尿病予備軍も患者さんも
指標にしてほしいHbA1cについてです。