減塩梅干しはホントに健康???|食選力アップ術[第31回]
2014.07.07 カテゴリー:食選力アップ術
低カロリー、糖分ひかえめ、減塩など、
健康をアピールした食品はたくさん◎
でも裏側を見ると、原材料や作り方など
「???」と思うこともしばしば……。
今日は日本人が昔から慣れ親しんできた
「梅干し」について考えてみましょう!
梅雨時期はまさに梅が獲れる頃。
梅干し、梅酒、梅ジャムなどを作る
一連の作業は「梅仕事」と呼ばれます。
伝統的に作られる梅干しの原材料は
梅と塩だけ。とてもシンプルですね!
ただ作り方は、手間のかかる手仕事。
ひとつずつ丁寧に拭いてヘタを取り
梅を塩漬けします。雑菌が入らぬよう
容器や手指もしっかり消毒します。
2日ほどすれば自然に梅酢で容器が
満たされるようになります。
梅雨が開けたら晴れの日に梅をザル
に並べて1~2日天日干し。
裏返して同様に干し上げたらOKです。
梅と塩だけで長持ちするのは、
この丁寧な手作業はもちろん、
塩分がしっかり効いているから。
梅1kgに対し塩は200g弱、
伝統的な梅干しの塩分濃度は
18~20%が一般的です。
「塩分が良くない」という理由で
「減塩タイプ」の梅干しもよく
見かけますが、裏面を見ると
色々と驚くことばかり……。
梅干しを水につけて塩抜きし、
調味液に漬け込んで味付け。
調味料や酸味料、甘味料、保存料
などが加わっています。
また梅干しに含まれる酸っぱい成分、
疲労回復に役立つクエン酸は
水溶性の栄養成分なので、
塩抜きすれば抜けてしまいます。
伝統的な梅干しは少量を味わい、
塩分を活かして料理に用いる方が
ずっと自然な気もします……。
本来のあり方を大切にしながら、
うまく取り入れていきたいですね。